勝った時ぐらい語らせてくれ(後編)
本戦1回戦目 赤黒デッドゾーン(あびすさん)
対面ドルマゲドン設置
俺(あぁ.....さらば俺の南越CS.....)
赤黒デッドゾーンのタイガニトロを処理するのが非常に困難な上に、攻められ続けたらドルマゲドンの禁断ビックバンで更に追い詰められる
タイガニトロの脅威に晒されながら2本も取るなんて至難の業
これはさすがにベスト8で終わったか.....
そう思いながらも、対面がタイガニトロを引かないことを祈りながらプレイを進める
対面の4t目に、俺に希望が見えた
あびすさん「チャージします」
メメント.......だと?
パクリオで手札を見たら、タイガニトロはなし
対面の5t目、ドルハカバ着地
そのままデッドゾーンに侵略しながら殴ってくる
このプレイに違和感を感じた
なぜタイガニトロを待たないのか?
なぜダイスわ張り替えることができるメメントを置いたのか?
そして、なぜ3コストチャージャーが見えないのか?
これらの材料から、1つの答えに辿り着く
(あのデッキにタイガニトロは入っていない!!)
そう決め打ち、手札に受けるための札を抱え込む
クローチェで墓地のドルハカバとデッドゾーンを山に戻したり、盾が0にならないようのダイスガロウズで止めたりと、防御は完璧
もうデッドゾーンが何体こようとドルマゲドンが禁断爆発しようと関係ないぐらいに防御を固めた
対面もドルマゲドンのケアはしっかりしており、爆発しないように先に右下の封印を剥がしたものの、その後にプチョヘンザを着地させ完全に制圧
1本目を制した
2本目
対面の場を0にするも、残りの封印は1
そしてそれは、禁断爆発のための封印
対面の山には3コストチャージャーがない代わりに、ギャロウズが入っている
それを着地させないように魔天とハンデスをグルグルしてコントロールしていき、ついに対面の山を0にすることに成功
絶望的だと思われた赤黒デッドゾーンを、対面の環境を読んだが故の構築によって取ることができた
準決勝 クローシス墓地
この人は1回戦目の人とは違う
オリオティスがいるのにクロスファイアを出すような人ではない
ワルスラで1発殴られ、返しに除去
2t後に再度ワルスラで殴られる
(これはさすがに無理か.......)
「ドローします」
ワルスラをデモンズライトで除去し、クローチェを投げる
プチョヘンザも着地させ、マナを13まで伸ばしきる
勝ち
2本目
負け先攻ルールにより、対面の先攻
2tアツトをキャストし、しっかりイワシンを絡めてくる
ワルスラを乗せられたらゲームエンドになりかねないため、学校男で除去
対面の3t目、ワルスラをハンデスで落とされる可能性を低くしたかったのか、マナチャージなしでオニカマスをキャスト
(悪いな!マナチャージしなかったお前の負けだ!!!!!)
ワルスラの着地が2tほど遅れ、受ける体勢を取ることができた
今度はクローチェは引けなかったが、墓地対面にはプチョヘンザだけで十分制圧できた
勝ち
ここまでマッチ込みで全勝
久々にドロハンを握ったのもあり、かなり疲労していた
そんな時に呼ばれる、決勝のマッチング
「決勝戦!ACEさんVSかいみ〜さん!」
お互いにやりたくないオーラを出している
俺・ACEさん「ボルドギ2枚ないですか?」
運営「ないです(真顔)」
決勝 ジョーカーズ(ACEさん)
南越CSのラスボス(かいみ〜調べ)
ここまで全勝できていたが、この男だけにはなぜか突破されそうなオーラを感じる
しかし、このジョーカーズを倒さなければCS初優勝はいつまでも来ない
前回は突然のジョジョジョマキシマム(俺の知識不足)で擬似単騎ラフルルされて死んだが、今回は俺が勝つ!
先攻はACEさん
先攻2t目
「...........どうぞ。」
(ヤッタレニヤリーはされなかったか.....ひとまず安心ってとこか)
しかしこちらも学校男を構えていたが故、何か先頭に出して手札を1枚消費して欲しかった
こちらは2t目も何もできずターンエンド
そして迎えたACEさんの3t目
「ヤッタレ、チョコっと、ターンエンド」
!?
構えていた学校男、オリジャ、墳墓が全て効かない
.....この男、間違いなく今日対面した中で1番強い
学校男をキャストすればヤッタレマンが残り、次ターンにヘルコプ太が着地してしまう
先攻4t目にそれは避けたい
が、こちらもそれを確定で防ぐ手段を持ち合わせていなかった
俺に残された手段はただ一つ
(あの2枚の手札からヘルコプ太をブレタで射貫くしかねぇ!!)
俺はハンデスを握った時、相手の目線、挙動、シャカパチの癖・回数等を見て、どこに重要なカードがあるかを最大限把握できるようにずっと見ているが、この男だけは今までの相手と違った
俺が見ているのを察してか、シャカパチをやめて手札を置き、目線もずっと俺の目を見ていた
対面中、俺はこれまでにない充実感を得た
俺は、この男と真剣に勝負するために関東に来たんだ
俺が求めていたデュエマが今、目の前で繰り広げられている
そして.......こう思った
この男を本気で倒したい
そう心に誓い、ブレインタッチを唱える
ACEさんは目線を明日の方向へ向け、手札を1枚ずつ両手に持って見せた
俺が選んだカードは.......
ヘルコプ太じゃない.....ヤバい!!
次ターン、当然のように持っていたヘルコプ太で3枚ドローし、その中からニヤリーゲットを1枚唱える
3枚を全て覚えた時だった
手札を全てテーブルの下に隠し、シャッフルした
(やはりそのままプレイしてくれるような甘いプレイヤーではないか.....)
こうして手札が5枚と盤面3体の状態を許してしまった
だがまだ終わっていない
墳墓と隼を初手から構え、プチョヘンザまで手札に抱えることに成功している
勝負はプチョヘンザを着地させてからだ!
しかしACEさんは俺の考えの先を見ていた
それは
そして着地
「百族の王 プチョヘンザで」
リバイヴプチョは封じられた
だが、ガロウズプチョならできる!!
「ガロウズホールでポンの助バウンス。勝利ガイアール出します。ヘルコプ太にアタック時、プチョヘンザに革命チェンジ。」
とりあえずはプチョヘンザの着地に成功した
(さぁ、どう来る?)
かなり考えるACEさん
数分考え、彼の出した答えは.......
「宣言はヴォルグサンダーで。ターンエンド」
対面の残りの山は4枚
この時に考えたことはただ1つ
(ガロウズホールを引けば勝てる!!)
.....察しのいい人ならもうおわかりだろう
返しの俺のトップは.......
うおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!
「ガロウズホール!!!!!対象ポンの助!!!!!!!!!!ヴォルグサンダー!!!!!」
「センノー効果で出ません」
この時にようやく俺は自分のプレミに気づいた
「...........俺CS決勝でなにやってんの?アホなんマジで?」
自分への怒りがこみ上げてくる
なぜもっと確認しなかったのか
いつもはやっている、「対面のそのプレイの意図」をなぜ考えなかったのか
起きてしまったことは仕方がない
プチョヘンザで寝ているセンノーに向かってアタックし、ターンを返す
相手の山はドロー後残り3枚
ポンの助でヴォルグを選んだということは、ジョジョジョジョーカーズで見た中に1枚は呪文があるということ
そしてその順番は、ヴォルグサンダー1回すら耐えれない配置
ターンが帰ってくれば勝てる!!
少しシャカパチしながら考えた後に彼が無言でキャストしたのは
「じゃあ、プチョ効果でタップで」
その時
「ああああああああああああああああああああああああああああああ何やってんだ俺はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
今まで見たことない姿に少し動揺するが、すぐにそのミスに気づいた
(ポンの助から出さないとダンガンオーマキシマムでジャスキル取れないのか!)
「ま、負けでいいです。」
ACEさんも自分のありえないミスに少し動揺している
まぁ、CS決勝で互いに死に直結するプレミをしているんだ
同じことが起きたら俺もきっとそうなる
2戦目
ACEさんの先攻2t目
何もできずマキシマムボーン
負け
この日初黒星をつけてしまった
ここまで思っていた俺のメンタルはこの初黒星によって打ち砕かれてしまった
だが、まだ負けたわけじゃねぇ
あと1本勝てばいい!
そして迎えた3戦目
先攻は俺
初手にプチョヘンザとリバイヴ、墳墓×2を抱えるが、ハンデスがない
(せめてブレタだけでもあれば.....)
そんな俺の希望は叶うことなく、3t目に引いたのはパクリオ
1本目の墳墓を初手に置いている以上、2枚目は置きづらい
しかし俺は、相手がセンノーを出す前にプチョヘンザを着地させようと思い、多色事故を避けるためにここで2枚目の墳墓をチャージしてターンを返す
それを見たACEさんは足枷が取れたかのようにマナと場を被せてきた
(まぁそうなるよなぁ.....)
幸いヤッタレニヤリーされていないだけマシだが、相手に自由に動かれるのはまずい
返しにパクリオをキャスト
手札にセンノーは.......ない!
あとはトップで引かれなければプチョが着地する!
返しのACEさん
センノーはなく、ヘルコプ太を着地させターンを返す
先攻5t目
俺の手札にはダイスを張ってリソースを稼ぐか、プチョヘンザで蓋をするかのどちらかを選ぶことができた
ロングゲームになると速度が間に合わないと感じ、ここはリバイヴプチョのプランを先に取る
ACEさんの後攻5t目
増えたマナからヤッタレ、チョコっと、ヘルコプ太とプレイ
(ヤバい.......)
俺の直感が言っている
ここでガロウズホールかデモンズライトを引けなければ、俺は負ける
このターンで2面処理できなければ、この男は必ず返しにマキシマムでジャスキルを取りにくる
願いを込めた俺の右腕が引いたカードは
俺の直感はさらに強くなる
.......俺はここで、負ける
ダイスを設置し、プチョでヤッタレマンを倒してターンを返す
ACEさんは小型をセンノー付きで並べる
そして.........
ついに放たれる、ジョーカーズの最終兵器
幸いにもマキシマムは1枚
盾から隼・デモンズライト・ガロウズホールのいずれかを捲る
それだけで、とりあえずこの場は凌げる
.....が、その後がどうしようもない
攻撃を受け、シールドが0になる
ACEさん「ダイレクトアタック」
俺「.................」
この日、唯一俺にダイレクトアタックを決めた男に2敗し、俺は優勝することができなかった
2大会連続で同じ男に負けた
彼はめちゃくちゃ強かった
関東に来て最大の敵であり、コチョウと同じぐらいの迫力・充実感・熱をくれた男
決勝で負けはしたものの、彼には感謝してもしきれないほどのものをもらった
それでも、悔しいものはやはり悔しい
かわっちスリーブ
ことりちゃんプレマ
決勝まで戦ってくれたカード達
優勝させてやれなくて、本当にごめんな